社労士試験の時効まとめ【2年・3年・5年を横断整理】
社労士試験で混同しやすい時効を2年・3年・5年で横断整理。賃金、退職手当、労災・雇用・健保の給付、国民年金・厚生年金の違いと起算点を解説します。
時効は「何の権利か」から判定する
社労士試験の時効は、2年・3年・5年という数字だけを暗記すると混同しやすい論点です。先に、賃金なのか、保険給付なのか、年金給付なのか、保険料の徴収なのかを特定してから期間を当てはめましょう。
同じ法律の中でも権利の種類によって期間が変わります。特に労災保険の年金給付とそれ以外の給付、年金制度の給付と保険料徴収は、横に並べて比較すると違いが見えます。
労働基準法は2年・3年・5年を分ける
賃金請求権の消滅時効は本則5年ですが、当分の間は3年です。2020年4月1日以後に支払期日が到来する賃金に適用されます。試験では「本則5年」と「現行の経過措置3年」の両方を区別してください。
退職手当の請求権は5年、年次有給休暇の権利は2年です。賃金という大きなラベルだけでまとめず、通常の賃金、退職手当、年休の権利に分けるのが失点を防ぐコツです。
労災・雇用・健康保険は2年を基本線にする
労災保険では、療養・休業・介護・葬祭などの給付を受ける権利は2年、障害・遺族などの年金給付を受ける権利は5年が基本です。「労災はすべて2年」と覚えず、年金給付かどうかを確認します。
雇用保険の失業等給付を受ける権利と、健康保険の保険給付を受ける権利は2年が基本です。似た数字が並ぶため、起算点まで問われたときは、権利を行使できるようになった時点を各給付の要件に戻って判断しましょう。
国民年金・厚生年金は給付5年、徴収2年
国民年金・厚生年金では、年金給付を受ける基本権は権利発生から5年が基本です。毎回の年金支払を受ける支分権も5年ですが、2007年7月7日以後に受給権が発生した年金は、国が時効を援用することで消滅する扱いです。
一方、保険料を徴収する権利は2年です。受給者側の給付と行政側の徴収を混ぜないよう、「受ける5年・集める2年」という対比を骨格にします。死亡一時金や脱退一時金など2年の給付もあるため、給付名まで確認しましょう。
起算点は数字と一組で覚える
時効期間だけでなく、いつから数えるかも頻出です。賃金請求権は賃金支払期日、年金の基本権は支給事由が生じた日の翌日、支分権は各支払日の翌月初日というように、権利を行使できる時点と結び付けて覚えます。
問題演習では「期間」「権利の種類」「起算点」の3列で誤りを記録してください。数字・期限 用語集で意味を確認し、暗記カードで数字を隠して答えると横断整理を定着させやすくなります。
公式情報で現行の扱いを確認する
法改正や経過措置がある論点は、受験年度の公式情報に戻ることが大切です。厚生労働省の賃金請求権Q&A、厚生労働省の年休時効Q&A、日本年金機構の年金の時効で最新の扱いを確認できます。
まとめ
- 賃金請求権は本則5年、当分の間3年です。
- 退職手当は5年、年次有給休暇の権利は2年です。
- 労災は2年が中心ですが、年金給付は5年です。
- 雇用保険・健康保険の給付は2年が基本です。
- 国民年金・厚生年金は給付5年と保険料徴収2年を対比します。
比較問題を解くときの順番
横断整理の記事は、違いを暗記するためだけでなく、本試験で迷ったときの判断順序を作るために使うと効果が高いです。比較問題を見たら、最初に制度の入口を確認しましょう。誰に適用される制度か、どんな事由が起きたときの制度か、どの役所や保険者が関わるのかを押さえるだけで、かなり選択肢を絞れます。
次に確認したいのが、給付か負担か、資格か手続か、という論点の種類です。例えば同じ数字が出てきても、給付日数なのか届出期限なのかで意味はまったく違います。問題文を読んだ瞬間に数字へ飛びつかず、まず何を問うているのかを言葉で整理すると、ひっかけに強くなります。
よくあるひっかけパターン
社労士試験の比較問題では、名称が似ている制度を入れ替える出題がよくあります。補償給付と一般給付、基礎年金と厚生年金、療養の給付と療養補償給付のように、似た語を逆に置いた選択肢は典型です。本文を読むときも、似た用語は一つずつ対比しながら確認しましょう。
もう一つ多いのが、原則と例外の入替えです。原則の数字を例外に置き換えたり、例外要件を一般ルールのように見せたりする問題は、知識が曖昧なときに引っかかりやすいです。比較記事では、原則の列と例外の列を分けてメモすると復習しやすくなります。
比較表を自分で作ると定着しやすい
横断整理は、読むだけより自分で1枚の表に直す方が強いです。表に入れる項目は、対象者、要件、数字、届出先、時効の5つだけでも十分です。情報を増やしすぎると見返しにくくなるので、最初は間違えたテーマだけを表にするのがおすすめです。
表を作ったら、右端に「よく間違える理由」を1行だけ書いておくと効果的です。たとえば、待期日数が混ざる、保険者を逆に覚える、請求期限と届出期限を取り違える、といった自分の癖を書いておくと、次の模試や本試験で同じ失点を防ぎやすくなります。
直前期の使い方
横断整理は、直前期の総仕上げにも向いています。全科目を細かく読み返す時間がないときでも、比較論点を1枚ずつ回すだけで得点の土台を確認できます。特に選択式は、制度の違いが曖昧だと語句が出てこなくなるため、横断での確認がそのまま得点に直結します。
本文を読み終えたら、見出しだけを見て違いを口頭で説明できるか試してください。説明できない部分は、知識が抜けているか、整理の軸がまだ弱いところです。比較問題は暗記量より整理の順番で差がつくので、直前まで繰り返し使えるメモに育てるのが理想です。
最後に確認したい3つの軸
比較整理で迷ったら、最後は3つの軸に戻ると安定します。1つ目は、誰に適用される制度かです。被保険者本人なのか、家族なのか、事業主なのかで答えはかなり絞れます。2つ目は、何を目的にした制度かです。医療保障、所得保障、手続管理、費用徴収のどれかが見えると、似た制度でも役割の違いが分かります。3つ目は、どのタイミングで問題になるかです。資格取得時なのか、給付請求時なのか、離職時なのかを確認すると、数字や届出先を逆にしにくくなります。
この3つの軸を使って説明できるようになると、表を丸暗記しなくても選択肢を削りやすくなります。横断整理は知識を増やす作業というより、頭の中の並べ方を整える作業です。直前までこの視点で見直しておくと、本試験の比較問題で迷う時間を大きく減らせます。
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よくある質問
Q.労働基準法の賃金請求権は3年ですか、5年ですか?
本則は5年ですが、当分の間は3年です。2020年4月1日以後に支払期日が到来する賃金請求権に適用されるため、試験では本則と経過措置を区別します。
Q.社労士試験の時効は2年と5年だけ覚えればよいですか?
いいえ。賃金請求権の現行の経過措置3年も重要です。また、同じ2年・5年でも権利の種類と起算点が違うため、期間・権利・起算点を一組で覚えましょう。