障害基礎年金と障害厚生年金の違い【1級・2級・3級を比較】
障害基礎年金と障害厚生年金の違いを、初診日、等級、年金額、加算、300月みなし、障害手当金で比較。国年と厚年の頻出論点を社労士試験向けに整理します。
障害基礎年金と障害厚生年金は初診日で分かれる
障害基礎年金と障害厚生年金を見分ける最初の基準は、障害の原因となった傷病の初診日にどの年金制度へ加入していたかです。初診日が国民年金の被保険者期間などにあれば障害基礎年金、厚生年金保険の被保険者期間中にあれば障害厚生年金が問題になります。
厚生年金加入中に初診日があり、障害等級1級または2級に該当するときは、障害基礎年金に障害厚生年金が上乗せされます。名称だけを別々に暗記せず、基礎年金を土台として厚生年金が上乗せされる構造で理解してください。
違いを一覧で比較する
- 障害基礎年金は国民年金加入中などの初診日、障害厚生年金は厚生年金加入中の初診日が入口です。
- 障害基礎年金は1級・2級、障害厚生年金は1級・2級・3級まであります。
- 厚生年金加入中の初診日で1級・2級なら、障害基礎年金と障害厚生年金が支給されます。
- 障害基礎年金は定額を基本とし、障害厚生年金は報酬比例で計算します。
- 障害基礎年金には子の加算、障害厚生年金の1級・2級には要件を満たす配偶者の加給年金額があります。
- 3級より軽い一定の障害には、厚生年金独自の一時金である障害手当金があります。
障害基礎年金は1級と2級の定額給付
障害基礎年金は、障害等級1級または2級に該当する場合に支給されます。2級の年金額を基本とし、1級は2級の1.25倍です。受給権者に生計を維持されている一定の子がいるときは、子の加算額が加わります。
20歳前に初診日がある傷病では保険料納付要件を問いませんが、本人の所得による支給制限があります。通常の障害基礎年金と同じ扱いだと決めつけず、20歳前傷病かどうかを問題文で確認してください。
障害厚生年金は3級と報酬比例がある
障害厚生年金は1級から3級まであり、年金額は厚生年金の加入中の報酬と被保険者期間を基礎に計算します。被保険者期間が300月未満の場合は300月として計算する、300月みなしも頻出です。
1級・2級では、要件を満たす配偶者がいると加給年金額が加算されます。3級には障害基礎年金の支給も配偶者の加給年金額もありませんが、障害厚生年金には最低保障額があります。等級ごとの給付構造を分けて覚えましょう。
共通する3要件も押さえる
どちらの障害年金も、初診日、障害認定日における障害状態、保険料納付要件が基本の3本柱です。保険料納付要件は原則として、初診日の前日に、初診日のある月の前々月までの被保険者期間のうち、納付済期間と免除期間を合わせて3分の2以上あることです。
2026年4月の制度改正後も、初診日が2036年3月末までで初診日に65歳未満なら、直近1年間に未納がないという特例があります。受験年度により経過措置の期限が変わり得るため、年度別教材と公式情報を確認してください。
試験でよくあるひっかけ
- 障害基礎年金にも3級があるとする選択肢。3級は障害厚生年金だけです。
- 厚生年金加入中の初診日で1級・2級でも、障害厚生年金だけが支給されるとする選択肢。
- 障害厚生年金を定額、障害基礎年金を報酬比例で計算する選択肢。
- 障害厚生年金の被保険者期間が300月未満なら、実期間だけで計算する選択肢。
- 障害手当金を国民年金の年金給付とする選択肢。障害手当金は厚生年金の一時金です。
公式情報と無料教材で確認する
現行要件は、日本年金機構の障害基礎年金と障害厚生年金で確認できます。年金額や経過措置は毎年度更新されるため、最新の公式ページへ戻りましょう。
試験対策では障害基礎年金とはと障害厚生年金とはで定義を確認し、国民年金法の無料テキストと厚生年金保険法の無料テキストで要件へ戻ってください。最後に数字ドリルで1級・2級・3級と300月を確認すると定着しやすくなります。
まとめ
- 初診日に加入していた制度が、障害基礎年金と障害厚生年金を分ける入口です。
- 障害基礎年金は1級・2級、障害厚生年金は1級から3級まであります。
- 厚生年金加入中の初診日で1級・2級なら、基礎年金に厚生年金が上乗せされます。
- 障害基礎年金は定額、障害厚生年金は報酬比例と300月みなしが軸です。
- 3級より軽い一定障害には、厚生年金の障害手当金があります。
比較問題を解くときの順番
横断整理の記事は、違いを暗記するためだけでなく、本試験で迷ったときの判断順序を作るために使うと効果が高いです。比較問題を見たら、最初に制度の入口を確認しましょう。誰に適用される制度か、どんな事由が起きたときの制度か、どの役所や保険者が関わるのかを押さえるだけで、かなり選択肢を絞れます。
次に確認したいのが、給付か負担か、資格か手続か、という論点の種類です。例えば同じ数字が出てきても、給付日数なのか届出期限なのかで意味はまったく違います。問題文を読んだ瞬間に数字へ飛びつかず、まず何を問うているのかを言葉で整理すると、ひっかけに強くなります。
よくあるひっかけパターン
社労士試験の比較問題では、名称が似ている制度を入れ替える出題がよくあります。補償給付と一般給付、基礎年金と厚生年金、療養の給付と療養補償給付のように、似た語を逆に置いた選択肢は典型です。本文を読むときも、似た用語は一つずつ対比しながら確認しましょう。
もう一つ多いのが、原則と例外の入替えです。原則の数字を例外に置き換えたり、例外要件を一般ルールのように見せたりする問題は、知識が曖昧なときに引っかかりやすいです。比較記事では、原則の列と例外の列を分けてメモすると復習しやすくなります。
比較表を自分で作ると定着しやすい
横断整理は、読むだけより自分で1枚の表に直す方が強いです。表に入れる項目は、対象者、要件、数字、届出先、時効の5つだけでも十分です。情報を増やしすぎると見返しにくくなるので、最初は間違えたテーマだけを表にするのがおすすめです。
表を作ったら、右端に「よく間違える理由」を1行だけ書いておくと効果的です。たとえば、待期日数が混ざる、保険者を逆に覚える、請求期限と届出期限を取り違える、といった自分の癖を書いておくと、次の模試や本試験で同じ失点を防ぎやすくなります。
直前期の使い方
横断整理は、直前期の総仕上げにも向いています。全科目を細かく読み返す時間がないときでも、比較論点を1枚ずつ回すだけで得点の土台を確認できます。特に選択式は、制度の違いが曖昧だと語句が出てこなくなるため、横断での確認がそのまま得点に直結します。
本文を読み終えたら、見出しだけを見て違いを口頭で説明できるか試してください。説明できない部分は、知識が抜けているか、整理の軸がまだ弱いところです。比較問題は暗記量より整理の順番で差がつくので、直前まで繰り返し使えるメモに育てるのが理想です。
最後に確認したい3つの軸
比較整理で迷ったら、最後は3つの軸に戻ると安定します。1つ目は、誰に適用される制度かです。被保険者本人なのか、家族なのか、事業主なのかで答えはかなり絞れます。2つ目は、何を目的にした制度かです。医療保障、所得保障、手続管理、費用徴収のどれかが見えると、似た制度でも役割の違いが分かります。3つ目は、どのタイミングで問題になるかです。資格取得時なのか、給付請求時なのか、離職時なのかを確認すると、数字や届出先を逆にしにくくなります。
この3つの軸を使って説明できるようになると、表を丸暗記しなくても選択肢を削りやすくなります。横断整理は知識を増やす作業というより、頭の中の並べ方を整える作業です。直前までこの視点で見直しておくと、本試験の比較問題で迷う時間を大きく減らせます。
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よくある質問
Q.障害基礎年金と障害厚生年金は両方受け取れますか?
厚生年金加入中に初診日があり、障害等級1級または2級に該当して要件を満たす場合は、障害基礎年金に障害厚生年金が上乗せされます。障害厚生年金3級の場合は障害基礎年金の支給はありません。
Q.障害基礎年金に3級はありますか?
ありません。障害基礎年金は1級と2級です。障害厚生年金には1級から3級まであり、3級より軽い一定の障害には一時金の障害手当金があります。
Q.障害厚生年金の300月みなしとは何ですか?
障害厚生年金の報酬比例部分を計算するとき、厚生年金の被保険者期間が300月未満なら300月として計算する仕組みです。短い加入期間を実期間のまま計算しない点が試験でよく問われます。